縄文の太古より生き続ける世界遺産の屋久島

1.屋 久 島
 屋久島は、鹿児島から南へ130kmのコバルトブルーの海に浮かぶ周囲132km、面積500km2の豊かな自然に包まれた、ほば円錐をした島です。この島は、横高0mから1935mまでと標高差が大きいため、海岸と山頂との気温差、年平均で12度もあり、小さい島でありながら、亜熱帯から温暖滞、冷温帯での気候をもっています。
 屋久島は、屋久杉の名でよく知られているように、千古の原生林におおわれています。樹齢1000年を越える屋久杉が林立し、なかでも樹齢7,200年の縄文杉が特に有名です。
2.屋久島の動植物
 海岸部は亜熱帯性のハイビスカス、プーゲンビリアなど、中腹は屋久杉など針葉樹の原生林、1500m以上はヤクシマシャクナゲやヤクザサが群生し、きれいな垂直分布が見られ、動物はヤクサルとヤクシカが多い。
3.屋久杉
 一般に樹齢1000年以上を経たものでないと屋久杉とは呼はれません。それに満たない杉には、小杉という呼び名があります。ただし、樹齢何千年というような屋久杉はなかなか見られるものではありません。というのも、伐採しやすい所にあった杉は、17世紀以後、切り出されて姿を消してしまい、かなり山深く入り込まなけれは見ることができなくなっています。杉というと、日光や箱根の杉並木のようにスッと天に向かって伸びるものをイメージしやすいものです。しかし、屋久杉はそれらとは異なり、コプや裂け目をつけゴツゴツとしたずんぐり型です。屋久杉を代表する小杉谷の「縄文杉」も幹表面はゴツゴツした縄文土器のような文様で、名前の由来もここからきています。
4.屋久杉の特長
 前述の様に、屋久杉の自生している場所が山の中腹部のため、春は季節風、夏は台風、冬は雪と風雪に耐え抜き、又7.000年以上も及ぶ生命力の素晴らしさが特長の第一にあげられます。その姿は、決して美しいものとはいい難く、立ちはだかった仁王の如く険しい形相をしていると言った方が適確かもしれません。表面はコプが出たり、波打ったりしており、難儀して育った事がよくわかります。そのために複雑な素晴らしい木目が生まれるわけです。また、樹脂を多く含み、その香りの良さは他の杉に例を見ません。従って、香りの良さはもちろんですが、色艶の良さ、色の変化、また腐りにくく、いつまでもその特長を維持します。
5.木目の種類
 大別して、板目、正目の二種類に分かれ、屋久杉の場合は板目に特長があります。屋久杉の板目は非常に複雑で千差万別ですが、その形で色々な名称があります。
※如かく分類しますと、笹日・ウズラ目・螺鈿(らでん)目・玉目・虎目・竹の子目・あばれ目等に分類されます。
6.原木の状況
 屋久杉は、長年島にのみ存在するため、その数は極端に少なく、また、保護部分の拡大により、現在1000年以上の生木は殆ど切ることができません。
現在、永年にわたり切り出された残りの根株、または良材を取った残りの部分を、土の中から掘り出し利用しています。これを、土埋木(どまいぼく)と呼びます。
現在は、台風等で倒れたものを取り山し、腐敗した部分を除去し生きた部分を利用する方法がとられています。また、植林した部分の良材の育成、林道の新設等で間伐が行われ樹齢300年前後の生木が切られています。
7.原木の用途
 以前は、建築材のみに利用されていましたが、25−30年前より工芸品、家具類に利用される様になり、高度利用化がなされ、現在殆ど無駄にする部分がなく製品化
されています。
 中央部には、九州最高峰(1935m)の宮之浦島をはじめ、永田岳、安房岳など1,500mを越す峰峯が並びます。そして、これらの山々の外山一帯は、広葉樹でおおわれ、中腹部は屋久杉などの針葉樹が生い茂り、樹齢1000年を超える屋久杉が樹海を一層深いものとしています。
 海岸部にはハイビスカス、ブーゲンビリアなどが咲き乱れ、バナナ、トケイソウ、パパイヤなどの熱帯の果実が実ります。良質の温泉が湧き、絶好の釣り場を有し、美しい砂浜が続く、まさに地上の楽園といった趣です。